●目次
・肩関節の構造
・とにかく動く関節(球関節について)
・肩甲骨が一緒に動く-肩甲上腕リズム-
・肩関節正常可動域
・まとめ
肩関節の構造
皆さんは「肩」といわれてイメージする部分はどこになりますか?
個人によって首に近い部分だったり肩甲骨のほうだったり様々にイメージされると思います。ふだんから肩コリなど気になる方でも場所はまちまちでしょう。
そこで今回は「肩」について詳しく解説していきたいとおもいます。
解剖学的にいうと、
- 肩甲骨と上腕骨による「肩甲上腕関節」
- 鎖骨と胸骨による「胸鎖関節」
- 肩甲骨と鎖骨による「肩鎖関節」
- 肩甲骨と胸郭による「肩甲胸郭関節」
4つの関節で構成されているのが、いわゆる「肩」です。こんなにたくさんの関節が協力し合っているんですね。
とにかく動く関節
人体で一番動きがでる関節はどこか知っていますか?正解は…肩関節です。
いくら脚が柔らかいといっても肩ほどクルクルと回ることはありません。なぜかというと関節そのものの形状が違うからです。
下記の図のように肩関節は球関節といわれ関節が丸くてなっています。ボールが関節の凹みで浅くはまり、クルクルと動きができるようになっています。
股関節などのボールとソケットの関係性に比べると肩関節は上腕骨頭の大きさに対して関節窩が小さく浅いため、運動中は自由度が高い。反対に、安定性が低く不安定。そのために、筋肉や靱帯など骨以外の構造でカバーしています。
脱臼においても肩が外れたというのは耳にしても股関節が外れたいうのはなかなか耳にする機会はないと思いますが、理由は関節の構造が違うからのなのです。
肩甲骨が一緒に動く-肩甲上腕リズム-
肩を上げる際にどのような動きをしているか?じつは肩だけでは180°上げたり回したりはできないようにつくられています。
そこで何がサポートをしてくれるかというと、「肩甲骨」なのです。実は体の内部では肩甲骨と肩が2:1の割合で動いています。
ある一定の角度からは肩甲骨も一緒に傾くことにより最大まで肩を伸ばすことが可能となります。四十肩や普段同じ姿勢ばかりとっている方はこの肩甲上腕リズムが間違いなく乱れています。もちろん、肩が動かなければ余計な負担がカラダに加わり肩こりなども多くなります。
肩関節正常可動域
肩関節がどのくらい動くのか。正常可動域を図にまとめましたのでご覧ください。
私こんなに動かない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?人によって苦手な動きは違うはずですよ、一度動かしてチェックしてみてくださいね!
- 屈曲180°伸展30°
- 外転180°内転0°
- 外旋60°内旋80°
- 水平屈曲135° 水平伸展30°
アスリートは肩甲骨が柔らかい
肩甲骨がしなやかに動けば力をうまく発揮できるようになります。野球やゴルフ、水泳、ダンスなど多くのスポーツで一流といわれるアスリートは肩甲骨が柔らかい。野球の大谷もゴルフの石川遼もこんなに柔らかいんですね。大谷の矢のような速球はこの柔軟性も一役買っているのは間違いないでしょう。